かかとのひび割れの主な原因
かかとのひび割れはいつのまにかできてしまい、繰り返し起きやすい症状です。ひどいときには出血や痛みを伴うので、日頃からひび割れ対策をしておきましょう。
まずは、かかとにひび割れができる原因について解説します。
1:角質の乾燥
かかとにひび割れができる原因のひとつに、乾燥が挙げられます。
肌が乾燥すると皮膚のターンオーバーが滞って角質の厚みが増し、柔軟性を失って硬くなります。柔軟性が失われた状態で体重をかけたとき、かかとの皮膚が伸びきれず表面に亀裂ができてしまうのです。
そもそもかかとには、皮脂腺がありません。皮脂腺とは毛穴から皮脂を分泌する器官であり、皮膚の乾燥を防ぐ働きをもっています。
皮脂腺がないかかとには
肌にうるおいをもたらす皮脂が分泌されないため、常に乾燥対策が必要です。乾燥した状態を放置してしまうと皮膚のターンオーバーが正常に機能しなくなり、古い角質が蓄積してひび割れができやすくなるので、早めの対策を心がけましょう。
かかとのひび割れは、特に冬場に起きやすい肌トラブルです。冬は空気が乾燥しますし、体が冷えやすいため、血行不良によってもかかとが乾燥しやすくなります。
近年は、夏でも冷房の効いた部屋にいることによりかかとが乾燥しやすくなるので、一年中対策しておく必要があるでしょう。
また、加齢による肌のターンオーバーの衰えも、かかとの乾燥を招く原因のひとつです。
2:外部からの摩擦や刺激
摩擦や外部刺激も、かかとのひび割れの原因になります。
かかとは体のなかでも特に圧力がかかり、刺激を受ける部位です。立つ、歩くなどの動作によって日常的に刺激を受けると、皮膚の防御反応が起こり、角質を厚く硬くして体を守ろうとします。そのため、体重がかかったときにかかとの皮膚が伸びきれず、表面に亀裂ができてしまうのです。
かかとにダメージを与えるのは、靴下や靴とのこすれ、足にかかる体重です。特に、
サイズの合っていない靴を履いていたり硬い床を裸足で頻繁に歩いていたりすると、かかとに摩擦が起きて角質が厚くなりやすいので、常にひび割れ対策が必要です。
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かかとのひび割れを改善する方法
かかとのひび割れは繰り返すため、放置するのは厳禁です。放っておくと亀裂が深くなり、傷口が肌の内側に達し悪化してしまうため、早めに対処しましょう。
ここでは、かかとにひび割れができたときの対処法を紹介します。
1:かかとの状態をチェックする
まずは、かかとの状態をチェックすることから始めましょう。とはいえ、体をひねってかかとを見るのは大変です。
そんなときは、スマートフォンのカメラ機能を使いましょう。
ユースキン製薬が独自に考案したかかとのチェック方法、「フットセルフィー」を試してみてください。
■フットセルフィーの手順
1.椅子か床に座り、無理のない範囲でかかとが見える姿勢をとる
2.スマートフォンのカメラをかかとから10cm程度離し、ピントを調整して撮影する
3.撮影した画像を拡大して、かかとの皮膚の色や状態をチェックする
皮膚にひび割れができていなくても、油断は禁物です。
かかとの皮膚がカサついたり皮がむけたりしているのは、ひび割れができる前兆なので、注意する必要があります。
健やかなかかとの皮膚は、血色の良い肌色をしています。黄色や紫色の肌色は次のような不調のサインなので、しっかり対処しましょう。
・黄色:角質が厚くなっている
・紫色:血行が悪くなっている
2:入浴で角質を柔らかくする
かかとにひび割れやカサつきが見つかったらお風呂に入り、硬くなった角質を柔らかくしましょう。
お湯を張った湯船に10~15分ほどかけてゆっくり浸かり、かかとを温めます。水分が補給されて、肌が柔軟性を取り戻します。
このとき、
熱いお湯を使うのはNGです。お湯の温度が高過ぎると肌の保護に必要な皮脂まで洗い流してしまうため、40℃程度のぬるめのお湯に浸かりましょう。お風呂に入る時間がない場合は、かかとだけ足湯をしてもOKです。
かかとの色が紫色になり乾燥している場合は、
入浴中にマッサージをするのも効果的です。マッサージで血行を促して、皮膚のターンオーバーを促進しましょう。
3:入浴後にクリームで保湿する
お風呂から上がったら、保湿剤を塗ってかかとの乾燥を予防します。
入浴すると、汚れとともに肌にうるおいを与える成分が洗い流されてしまうため、次の手順でしっかりお手入れしましょう。
■かかとのマッサージ手順
1.人差し指の指先から第一関節までの量のクリームを取り出す(片足分)
2.両手の手のひらで温めながら、かかとを包み込むようにクリームを塗り込む
3.両足の側面は特に乾燥しやすいため、念入りに塗る
4.足の指先、付け根、爪まわりにも、マッサージしながらクリームを塗る
5.反対側の足も同様にお手入れする
かかとの保湿ケアをするベストタイミングは、入浴直後です。入浴後の肌はほどよく水分を含んでしっとりしているため、保湿剤がよくなじみます。
かかとの乾燥対策には、
保湿クリーム、ワセリン、馬油などを使うと良いでしょう。かかとは乾燥しやすいので、少し重ためのテクスチャーのものを選びましょう。
尿素配合の保湿クリームは、角質を柔らかくする働きが期待できます。ただし、かかとに亀裂がある場合は、刺激となってしまう可能性があるため注意が必要です。また、血行が悪くなり皮膚の色が紫色になっているかかとには、血行を促すビタミンE配合のクリームを選ぶと良いでしょう。
4:靴下を履いて乾燥を防ぐ
保湿ケアをしたら、靴下を履いてかかとの乾燥をしっかり防ぎましょう。裸足のまま過ごしていると外気の乾燥の影響を受けやすく、せっかくのお手入れが無駄になりかねません。
靴下を履いてかかとを覆うと、うるおいをしっかり閉じ込められるのでおすすめです。また、足が温まって血行が良くなり、ひび割れ予防も期待できるでしょう。
クリームを塗った後に裸足のまま歩くと、床が汚れてしまうことが気になってしまう方もいるでしょう。靴下を履けば、汚れを気にせず自由に動けます。また、足が滑って転倒するリスクも減らせます。
かかとの乾燥対策には、綿や絹などの天然素材の靴下を選ぶと良いでしょう。睡眠中は体の修復作用で皮膚のターンオーバーが活性化するため、靴下を履いて寝るのもひび割れ対策に有効です。
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かかとのひび割れケアで避けたいNG行為
かかとのひび割れは、皮膚の表面、すなわち硬くなった角質にできます。肌の内側に達していない軽度のものなら、出血や痛みはありません。そのため、角質をリムーバーや軽石で削ってケアしている方も多いのではないでしょうか。
実は、かかとの角質を除去し過ぎるのは好ましくありません。必要な角質まで削ってしまうと皮膚のバリア機能にダメージを与え、さらにかかとの乾燥を招いてしまいます。
また、バリア機能が低下した肌を守るためかえって角質が分厚くなってしまうので、むやみに角質を取り除くのは控えましょう。
かかとのお手入れは、保湿が基本です。入浴でしっかりとかかとの角質を柔らかくしてから、保湿クリームでしっかりと乾燥対策をしましょう。
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まとめ
かかとにひび割れができると、歩くときに痛い思いをすることになり、日常生活に悪影響を及ぼします。ひび割れがストッキングの薄い生地に引っかかって破れてしまうこともあり、見た目も良くありません。
かかとのひび割れは、こまめな保湿ケアで対処できます。日頃から乾燥対策に取り組んで、キレイなかかとをキープしましょう。