そもそもなぜ目の周りがかゆくなるのか?
かゆみは、放置したままではなかなか治まらないため、我慢するのは難しいものです。痛みなら多少我慢できるという方も、かゆみは我慢しにくいのではないでしょうか。
そもそも、なぜ目の周りがかゆくなるのか、まずは「かゆみ」のメカニズムについて解説します。
かゆみは異常を知らせてくれる重要なサイン
目の周りに限らず、
外的要因による刺激やアレルギー反応が皮膚に生じると、かゆみを引き起こすヒスタミンなどの「かゆみ物質」が分泌されます。分泌された「かゆみ物質」により、「かゆい」という感覚が起きるのです。
ほこりなどの小さな異物でも、目やその周辺の皮膚は敏感に反応するため、ぱっと見た感じでは肌に異常がないのに、かゆみを感じてうっとうしく感じることもあるでしょう。
しかし、かゆみはなくてはならない感覚のひとつです。
かゆみによって、皮膚の異常や体内の不調に気付くことができます。かゆみは、体に生じた異常から体を守るための防衛反応のひとつなのです。
皮膚の異常だけがかゆみの原因ではない場合もあるため、セルフケアで適切に対処してもかゆみが続く場合は、放置せずに皮膚科を受診しましょう。
「目や目の周りはかいてはいけない」とよく言われるけど、その理由は?
目やにが出たり目の中に異物が入ったりしたときに、目や目の周りをこすってしまったことがある方は多いでしょう。そのたびに、「目や目の周りをかいては(こすっては)いけない」と言われた覚えがあるのではないでしょうか。
目や目の周辺の皮膚をかいてはいけない理由は、
角膜や皮膚を傷つける恐れがあるためです。かくと一時的にかゆみが止まり気持ち良さを感じますが、
同時に眼球や皮膚に小さな傷をつけてしまっています。
小さな傷は自然に治癒されますが、手に付いたバイ菌によって感染症や炎症を起こしかねません。
目や目の周辺の皮膚をかいてしまうことで、湿疹が出るなど新たな皮膚トラブルが起こったり、もともとのかゆみの原因を悪化させたりする可能性もあります。
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かゆみを引き起こす主な原因
目の周りやその他の皮膚にかゆみを引き起こす原因は、大きく分けると3タイプあります。必ずしも、皮膚に何らかの異物が付着しているとは限りません。そのため、顔を洗ったりタオルで顔を拭いたりして異物を取り除いても、かゆみが治まらない場合があります。
かゆみを引き起こす3つの主な原因と特徴は、次のとおりです。
1.アレルギーを起こす物質の付着
ほこりなどの物質が付着した刺激でかゆみを引き起こすこともありますが、付着した物質自体にアレルギーを起こす場合もあります。
季節や体質によっても原因は異なりますが、代表的な原因物質は以下のとおりです。
花粉
花粉は鼻水やくしゃみに加えて、眼球結膜のかゆみや目の周辺の皮膚トラブルを引き起こすのが特徴です。アレルギーのなかでも、花粉をはじめとする特定の季節によってかゆみが現れる症状のものは
『季節性アレルギー性結膜炎』といいます。春先に毎年のように目や目の周りがかゆくなるという方は、花粉を疑ってみましょう。
目と目の周りにかゆみが起こるメカニズムは、それぞれ次のとおりです。
・眼球結膜…アレルギー反応による粘膜の炎症
・皮膚…乾燥やアレルギー反応による炎症
皮膚が薄い目の周辺は乾燥しやすく、皮膚が本来持つバリア機能が低下しやすい場所です。
花粉が付着したときにバリア機能が正常に働かないと、皮膚内部へ侵入してしまいます。その結果、眼球結膜と同じように花粉に対するアレルギー反応が起こり、炎症状態となることでかゆみが生じるのです。
ハウスダスト
ハウスダストもアレルギー反応を起こす要因のひとつです。これによるアレルギー症状がみられるものは
『通年性アレルギー性結膜炎』と呼ばれ、文字通り季節に関係なく発症します。
なお、ハウスダストに含まれるものは次の物質です。
・ダニ、ダニの死骸やフン
・カビ
・人やペットの毛
・フケなど
上記の通り、ハウスダストといわれる物質は、外から持ち込まれるものから、生活するなかで自然と発生するものまでさまざまです。とても軽く、人が動いたり、物を動かしたりするときに一緒に舞い上がってしまいます。舞い上がったハウスダストが目に入ることで、アレルギー反応を引き起こします。
主な症状は、目のかゆみのほか、異物感(目のゴロゴロ感)、充血、目の腫れなどです。自覚症状は人により異なり、軽症のこともありますが、かゆみのある目をこすると悪化しやすいと言われています。
化粧品
化粧品選びや化粧品の使い方を間違えると、かゆみを引き起こすことがあります。
肌に合わない化粧品を使ったり不適切な使い方をしたりすると、刺激になったりアレルギー反応が生じたりします。
【不適切な使用方法】
・アルコールなど、肌に合わない成分を含む商品の使用
・強い摩擦によるダメージ
たとえば、肌に合わない商品を使うことで肌はダメージを受け、炎症を起こしてしまいます。使用量や使用頻度が少なくても、体質や体調によって受ける刺激は異なるため、その日の自分に合ったアイテムを正しく使用することが重要です。
単純に皮膚が刺激を受けていることもあれば、アレルギー反応を起こしている場合もあるため、思い切って使用するアイテムを低刺激な商品に変えてみるのも良いでしょう。
医薬品などの薬剤
使用している医薬品等の薬剤が原因でかゆみが生じることもあります。
一時的な使用では問題がなくても、長期的に使用することでかぶれが生じ、かゆみに悩まされる場合もあります。説明文書をよく読んで、適切な使用方法を守りましょう。
かゆみを引き起こしやすい医薬品等の薬剤には、以下のものがあげられます。
・湿布
・ばんそうこう
・目薬
・消毒薬
医薬品等の薬剤によりかぶれが起こった場合は、直ちに薬剤の使用を中止し、皮膚科医を受診することを検討しましょう。
金属製品
コバルト・ニッケル・クロムなど安価なアクセサリーに使用されることの多い素材が、金属アレルギーを起こすこともあります。
アクセサリーをつける習慣がない方も、時計のベルトなどの革製品が触れる部分がかぶれる方は、革に光沢を出すのに使用されるクロムが原因かもしれません。
また、
使用している化粧品や日焼け止めアイテムの中に金属が含まれている可能性もあるため、油断はできません。使っている化粧品の全成分表に「酸化鉄」の表記がある場合は、「酸化鉄」の中のわずかな不純物として含まれるコバルトやニッケルなどがアレルギー反応を起こしている可能性も考えられます。
一度使用を止めて様子を見るほか、自身が金属アレルギーの体質かどうかを病院で調べてもらいましょう。金属アレルギーの疑いがある方は、化粧品選びも慎重に行ってください。
2.皮膚の乾燥
先ほども解説したように、皮膚の乾燥がかゆみの原因となることも珍しくありません。
スキンケアが不十分な場合だけではなく、乾燥した空気など外的な要因が皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。バリア機能が低下した状態の皮膚は、花粉などの異物を皮膚内へ侵入させてしまうほか、皮膚の表面近くの神経自体を敏感にさせます。
皮膚内へアレルギーの原因物質が侵入しなくても、敏感になった皮膚がわずかな刺激に反応してかゆみを感じることがあるため、しっかりと保湿して健康な皮膚を保っておくことが大切です。
3.汗による刺激
皮膚のバリア機能が低下していると、体内から分泌された
汗や皮脂にすら刺激を感じてしまうことがあります。汗には塩分などの刺激になる成分が含まれており、また、皮脂も油分だけではなく皮膚表面の汚れを肌に吸着させてしまうため、それらが刺激になります。
汗をかきやすい目元は、こまめに汗を拭きとり、できれば洗い流すことが大切です。タオルで拭くときは、肌に刺激を与えないよう押さえるようにやさしく拭き取りましょう。特に、汗をかく夏は、かいた汗をそのままにしないように注意しましょう。
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かゆみ予防は日々の洗顔とスキンケアが基本
目の周りやその他の肌に生じるかゆみは、原因が同じである可能性もあります。たとえば手足が乾燥してかゆい方は、目の周りも乾燥していないかチェックしてみましょう。
金属アレルギーなど特定の原因がある場合を除くと、かゆみ対策に必要なことは肌の健康状態を守るためのスキンケアです。
バリア機能を守る正しい洗顔
アレルギー反応を引き起こす物質が侵入したり、
ささいな刺激で肌がかゆみを感じたりしないよう、まずは皮膚のバリア機能を健康な状態に戻しましょう。保湿ケアはもちろん、毎日の洗顔も重要です。
以下のポイントを意識しましょう。
・低刺激な洗顔料をしっかり泡立てる
・洗うときはゴシゴシこすらないように
・使用するお湯は熱すぎないぬるま湯で
・泡はきちんと洗い流す
ゴシゴシと洗わず、泡で肌をなでるようにやさしく洗い、ぬるま湯で泡をしっかり洗い流しましょう。指でこするのではなく、泡のクッションに汚れを吸着させるイメージです。
そのためには、肌にやさしい洗顔料をしっかりと泡立てる必要があります。泡立てネットなどを使用して、弾力のある泡を作ってください。敏感肌の方用につくられた低刺激のアイテムも多く販売されているので、自分に合ったものを見つけましょう。
泡が残ると肌に刺激になるので、しっかりていねいに洗い流すことも重要です。
乾燥を防ぐスキンケア
汚れを落とした後は、肌が乾燥する前にきちんとスキンケアを行います。自分に合ったクリームやローションを使いましょう。メイク前や洗顔後のスキンケアはもちろん、以下のシーンでも保湿が必要です。
・お風呂上がり
・冷たい外気に触れた後
お風呂の後は皮膚の水分がどんどん出ていってしまうため、一秒でも早いスキンケアが必要です。脱衣所にひととおりのスキンケア用品を置いて、バスルームから出たらすぐに保湿ケアを行ってください。
また、冷たい外気も肌を乾燥させる原因になります。特に冬場はお風呂上がりやメイク前などの洗顔後だけではなく、肌の乾燥を感じたら日中もこまめに保湿ケアをすることが大切です。
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目のかゆみ予防にしておきたい習慣
スキンケアに加えて、生活のなかで目のかゆみを予防する習慣も身に付けましょう。下記のポイントを意識してみてください。
こまめに掃除をする
アレルギーの原因となるハウスダストやダニ、カビ、ペットの毛、フケなどを取り除くには、
こまめな掃除が大切です。
下記は、アレルギー対策に効果的な掃除です。
・日中は換気を行い、通気をよくする
・寝具は天日干ししてダニの発生を抑える
・こまめに掃除機をかける
・空気清浄機を活用する
定期的に部屋をキレイにすれば、アレルギーを引き起こす物質を吸い込んだり触れたりするリスクを最小限に抑えられます。乾燥した空気はダニの増殖を抑えるのに効果的ですが、乾燥しすぎると細かいハウスダストがより舞い上がりやすくなるため、適度な湿度を保つようにしましょう。
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【花粉に悩む方向け】目のかゆみの予防策
花粉症の方は、ハウスダストとは異なる予防策が必要です。ここからご紹介するポイントを意識してみてください。
花粉の多い時期は外出を控える
生活している限り、花粉を完全に遮ることはできませんが、できるだけ避けることはできます。まずは
テレビやインターネットなどで、花粉の飛散量をチェックしましょう。インターネットの場合、リアルタイムで花粉の飛散状況を知ることができます。
主に花粉が多く飛ぶ日は、次の条件が当てはまります。
・気温が高く、晴れた日
・風の強い日
・雨の翌日でよく晴れた日
目のかゆみ予防には、気温や風量から予想し、花粉の飛散量が多い日は外出を控えましょう。
とはいえ、花粉シーズンにまったく外に出ず過ごすのは困難です。花粉の種類によっては、一日の中で飛散量が違うものもあるため、出かけるタイミングを調節するだけでも有効といえます。
外出時はメガネやマスクで花粉を遠ざける
外出時は、
花粉が体に付着しないようにメガネやマスク、帽子などを着用しましょう。特に、目のかゆみを防ぐならメガネは必須です。
普段コンタクトレンズを着用している方も多いですが、目とレンズの間に花粉が入り込んでかゆみが生じる場合があることから、花粉シーズンには控えるのが望ましいです。
花粉に特化したゴーグルやメガネもありますが、
普段使いのメガネでもかけるだけで半分以上の花粉をカットすることができます。
また、マスクは大きすぎたり小さすぎたりすると、隙間から花粉が入り込んでしまいます。必ず顔の大きさに合ったものを選びましょう。加えて、湿ったガーゼをマスクの内側に挟むことで、花粉予防と乾燥防止の両方の効果が期待できます。合わせてお試しください。
衣服に花粉が付着しないようにする
花粉は思った以上に衣類に付着しているため、着るものにも注意してください。花粉シーズンに避けたいのは、花粉が付きやすいウール素材です。
外出時に着る上着は、ポリエステルのように表面がツルツルとした素材がおすすめです。
また、花粉を持ち込まないように、帰ってきたらそのまま家に上がらず、外で落としてから入ることも大切です。手で払ったり粘着ローラーを用いたりして、花粉の付着量をできるだけ減らしてから家に入ってください。
花粉は静電気によって付着しやすくなるため、衣服を洗濯する際は柔軟剤を使用しましょう。なぜなら柔軟剤には静電気の発生を抑える効果があるためです。そのほか、静電気防止スプレーを併用するのも効果的です。
帰宅後はしっかり洗顔やうがいをする
ここまで対策をしても、顔や口に花粉はついてしまいます。帰宅後はすぐに洗顔やうがいで花粉を洗い流してください。生理食塩水を用いた鼻うがいも効果的です。
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まとめ
目の周りがかゆいとき、アレルギー反応や皮膚の乾燥など多くの原因が考えられます。かゆみが頻繁に起こったり長く続いたりする場合は、皮膚科を受診し早めに原因を突き止めることをおすすめします。
特に目の周りは粘膜に近く皮膚も薄いため、とてもデリケートな部分です。乾燥が気になるときは、洗顔後だけではなくこまめにクリームなどで保湿を行うことで、皮膚のバリア機能がしっかりと作用し、肌をさまざまな外部刺激から守ることができます。
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