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「しそ」とは?縄文時代からある、日本人になじみ深い植物だって本当?

「しそ」とは?縄文時代からある、日本人になじみ深い植物だって本当?

爽やかな香りが和食と相性の良い「しそ」は、薬味や刺身のつまとして、おなじみの食材です。とはいえ、しその種類やシソ科の植物 … 続きを読む 「しそ」とは?縄文時代からある、日本人になじみ深い植物だって本当?


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爽やかな香りが和食と相性の良い「しそ」は、薬味や刺身のつまとして、おなじみの食材です。とはいえ、しその種類やシソ科の植物など、知らないことがたくさんあるのではないでしょうか。また、「スーパーに売られている「大葉」とどんな違いがあるのだろう?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、「しそ」とはどんな植物なのか、大葉との違いは何かなど、しその基礎知識について解説します。食用としてだけでなく漢方としても用いられている「しそ」の効能も紹介するので、「しそ」の知識を深めるきっかけにしてください。

「しそ」とは

しそとは、シソ科に属する一年草で、漢字では「紫蘇」と書きます。

細い四角柱の茎に、広卵形(こうらんけい:幅が広い卵形)の葉が特徴の植物です。葉の縁はギザギザの鋸葉(のこぎりば)状になっています。

日本人にとって、しそは古くからなじみのある植物です。しその種が縄文時代の遺跡から出土しており、その頃からしそが利用されていたようです。

「しそ」の種類

しそには、「青じそ」「赤じそ」「ちりめんじそ」など複数の種類があります。それぞれの違いは以下のとおりです。

青じそ

葉の色が緑色なのが「青じそ」です。刺身の彩りとして添えたり、薬味として用いられたりすることが多く、しそといえば青じそを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

赤じそ

葉の両面が赤紫色になっているものを「赤じそ」と呼びます。そのまま食べるよりも、梅干しや紅ショウガなどの着色や風味づけに用いられることが一般的です。

片面じそ

葉の表面は緑色、裏側は紫色と表と裏で色が異なるものは、「片面じそ」と呼ばれています。

ちりめんじそ

葉の縁のギザギザが深く、葉にシワがあって縮れているしそが「ちりめんじそ」です。青じそ・赤じそ、それぞれのタイプがあります。

植物としての「しそ」

しそは、家庭菜園やプランターなどで手軽に栽培できる植物です。ここでは、植物としての「しそ」について解説します。

シソ科の植物

先ほど述べたように、しそはシソ科の植物です。もちろん、しそ以外にもシソ科の植物はたくさんあります。

では、代表的なシソ科の植物をみていきましょう。「この植物もシソ科だったんだ」と驚くかもしれません。

エゴマ

日本でも古くから栽培されているエゴマは、シソ科の植物です。よく見ると、葉っぱがよく似ていますよね。

種子に油分が多く含まれており、それを絞った油が「えごま油」です。葉も食べることが可能で、韓国では葉っぱをキムチにして食べています。

バジル

料理の香りづけとして使われるハーブの代表ともいえるバジル。見た目はしそと大きく異なりますが、実はシソ科の植物です。

甘くフレッシュな香りが特徴で、ピザのマルゲリータやパスタのジェノベーゼなど、イタリア料理には定番のハーブでしょう。

ラベンダー

意外に感じる方が多いと思いますが、ラベンダーもシソ科の植物です。なんといっても心地良い香りが特徴で、アロマオイルやポプリとして使用されることが多いハーブです。鮮やかな紫色の花が咲くので、観賞用としても楽しまれています。

ローズマリー

肉料理や焼き菓子の香りづけ、またはハーブティーなどに使われることの多いローズマリーもシソ科です。豊かな香りが特徴で、アロマオイルやポプリなどにも用いられています。

レモンバーム(メリッサ)

レモンのようなフレッシュな香りが特徴のレモンバームも、シソ科の植物です。ハーブティーや魚料理の香りづけ、アロマテラピーなど、幅広い用途に用いられています。

「しそ」の育て方

しそは、暑さに強いので比較的育てやすい植物といわれています。プランターでの栽培も可能です。

しその育て方を簡単に説明します。

1.種をまく
市販の培養土を用いて、株間約20cmで1カ所4~5粒の種をまきます。

しそは、発芽するときに光が必要です。土かけは薄くして、乾燥させないようにこまめに水やりをしたり、濡れた新聞紙をかぶせたりして管理しましょう。

2.発芽
芽が出てきて葉が開いたら、育ちの悪いものから間引きをして、本葉が4枚になった頃までに1本立ち(元気な苗だけを1本残すこと)にします。

3.育苗
水を切らさないように注意して育てましょう。また、肥料が不足すると、葉の色が薄くなったり、葉が小さくなったりします。2週間に1回を目安に肥料を足すと良いでしょう。強い光に当てないように育てた方が、大きくて柔らかい葉になるとされています。

以上が大まかな育て方です。もし、種から育てるのが難しいと感じる場合は、ホームセンターなどで苗のポットを購入してプランターに植えても良いでしょう。

食用としての「しそ」

ここからは、和食でなじみの深い、食用としての「しそ」をみていきましょう。

「しそ」の旬

青じその旬は6月~9月ですが、ハウス栽培が多いため通年出回っています。一方赤じそは、梅干しを漬けるタイミングである6月~7月に出回ります。

「しそ」の栄養

しそには、さまざまな栄養素が含まれています。以下はその一部です。

・β-カロテン
・ビタミンB群
・ビタミンC
・カルシウム など

しその栄養の詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
「和食を彩る名脇役!「しそ」の栄養について」

「しそ」の食べ方

しその葉はそのまま生で食べるほか、加工原料、梅・ショウガの着色、ふりかけなどに用いられています。種は絞って、「しそ油」に加工されます。

しその葉は、さまざまな料理に使える食材です。

・刺身のつま
・天ぷら
・そうめん・冷奴などの薬味
・ドレッシング など

春に収穫される発芽して間もない芽じそや、秋に収穫される花穂(はなほ)じそも、刺身のつまによく使われています。

また、しそには殺菌作用があるといわれています。これは、しその香り成分であるペリルアルデヒドに殺菌作用があるからで、刺身などにしそを添えると、食中毒の防止にも役立つとされています。

しそが持つ殺菌作用の詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
「美味しいだけじゃない!「しそ」の秘めたる殺菌効果」

薬用としての「しそ」

しそは薬用として、漢方では昔から用いられてきました。漢方で主に用いられているのは赤じそです。乾燥させて、加工・調製します。

漢方でしそが用いられる理由は、以下のような効能があるとされているからです。

・発汗作用
・解熱作用
・胃腸の働きを整える作用
・魚介類による食中毒の予防・解毒作用

このような効能が期待されているため、胃腸の不調などに良いとされる漢方に用いられることが多いのです。

薬用としてのしその詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
「しそが漢方に用いられる理由。どんな漢方に配合されているかを解説」

「しそ」と「大葉」の違い

「しそと大葉はよく似ているけれど、どう違うのだろう?」と考えたことはありませんか。

結論から言うと、「しそ=大葉」ではないので注意してください。「しそ」という言葉は「青じそ」「赤じそ」「ちりめんじそ」といった、すべての種類を含んで使うことがあるからです。

それに対して「大葉」とは、「青じそ」の葉のみを指します。「赤じそ」の葉は「大葉」と呼びません。

「しそ」は葉だけでなく、芽・花・実などの部位に分けられます。「しそ」や「青じそ」と呼んだだけではどこを指すのかわかりにくいことから、ほかの部位と葉を区別するために「大葉」として出荷・販売されるようになったことが、「大葉」というネーミングの由来といわれています。

まとめ

この記事で説明したことをまとめます。しそとは、以下のような植物です。

・シソ科の一年草
・日本に伝わったのは、平安時代より前までさかのぼる
・「青じそ」「赤じそ」「ちりめんじそ」など複数の種類がある
・ビタミンやミネラルが多い
・殺菌作用がある
・和食との相性が良い
・漢方で用いられてきた

料理に使われるしその多くは、青じそです。一年を通じてスーパーなどで購入可能ですが、旬は6月~9月です。また、スーパーなどで並んでいる「大葉」とは、青じその葉を指します。

赤じそは、青じそと比較するとあまり食卓に上ることがないものの、梅干しやショウガの着色のために用いられています。また、乾燥させてふりかけなどにも使われているほか、生薬として漢方でも用いられるなど、幅広く利用されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管理栄養士・食育インストラクター
上辻 知津子(うえつじ ちづこ)

2000年からライター・編集者として従事。食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、特定保健指導など健康相談の業務にも携わる。

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